どのサイトを見ても、AGA(男性型脱毛症)の原因はDHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンによる毛周期の乱れ(=抜け毛)だと書かれています。専門クリニックのサイトにも、医師監修の記事にも、まるでコピーしたかのように同じ説明がされています。
しかし私は毛髪診断士としての研究結果と自身のAGA克服経験から、実はもう一つ原因を見落としていることを発見しました。もう一つの原因とは筋膜のねじれを発端とする毛根の移動にあるという仮説で「ハーゲン脱理論」として提唱しています。
でもなぜ、私が正しいと信じている「ハーゲン脱理論」とは別の「DHT理論」がこれほどまでに世の中に広まってしまったのでしょうか?
専門医が不在
ここでは一般的に説明されているAGAの原因を「DHT理論」と呼ぶことにします。
「DHT理論」は皮膚科医が提唱したもの?
AGAは男性ホルモンであるテストステロンの代謝異常(DHTの生成)によって引き起こされることが一般的に認められています。ここまでは正しいのです。しかしながら、DHTから生成されたTGF-βが毛周期を乱し、抜け毛を誘発するというのは科学的に証明されておらず、あくまで仮説なのです。言いかえれば、根拠のないこじつけともいえるでしょう。
AGAは毛髪の問題であり、毛髪は皮膚の一部です。そのため、皮膚科医が診断・治療をする専門医となります。
私の考察では、おそらく皮膚科医が自身の専門分野で原因を特定しようとした場合、このような仮説を立てるしかなかったのだろうと思います。毛髪に起こった現象を皮膚の問題として片づけるには「DHT理論」に結びつけるしかなかったのです。
他に有力な仮説もなく、この仮説が多くの文献にコピーされたことにより、現代では「DHT理論」が教科書として周知されるようになったのではないか、と推察します。
広告「ハーゲン脱理論」には専門医がいない
私が提唱する「ハーゲン脱理論」は筋膜のねじれを発端とする毛根の移動がAGAの根本原因であるという理論です。DHTが何らかの影響で筋膜のねじれを誘発させ、表皮が引っ張られることで毛根自体が移動するという仮説です。
毛髪は皮膚科ですが、筋膜は筋肉の一部ですので専門医は整形外科になります。つまり皮膚科と整形外科の両方の知識を持った医師、もしくは双方の医師が協力しないと導き出されない理論なのです。よって専門医が存在せず、今まで研究が進められなかったのだろうと考えます。
しかも整形外科にとってAGAは生命や健康を脅かすような病気ではないため優先度が低く、そもそも興味すらない(研究の対象外)なのです。
私はこのハーゲン脱理論のもと、現実にAGAを完全なフサフサ状態まで戻すことに成功し、私自身の毛髪が結果として証明しています。一方で一般的なAGA治療によって多少の改善は確認できても、完全にフサフサまで戻した症例写真はほとんど見たことがありません。
Google検索のアルゴリズム
Google検索で「AGAの原因」と検索すると必ず一般的な「DHT理論」が上位に表示されるような構造(アルゴリズム)になっています。これがまだ科学的には証明されていない「DHT理論」を単なる仮説ではなく、あたかも立証された事実であるかのように世の中に広め、誤解を与える根源となってしまっています。
専門性・権威性を重視するE-E-A-T
Googleで何かを検索した時、どのようなものが上位に表示されるかというと、以下のE-E-A-Tによって順位付けされています。
- Experience:経験
- Expertise:専門性
- Authoritativeness:権威性
- Trust:信頼性
世界的にはフェイクニュース問題などから、サイトの信頼性を重視したアルゴリズムの導入が進んでいます。特にユーザーの生活や健康に関するYMYL分野においてはE-E-A-Tが重要視されています。金銭、健康、安全などに重要な影響を与える可能性のあるキーワードについては、公的なサイトをはじめとした信頼性のあるWebサイトが上位表示されるようになっているのです。
GoogleはE-E-A-Tの中でもT(Trust)を一番重要視すると発表していますが、詳細なランキング基準は公表しておらず、その基準も随時更新されていきます。
残念ながら、2025年6月現在のAGAに関するGoogle検索で上位表示されるのは結果的に、
薄毛を完治させたこともない医師 > 実際に薄毛を完治した個人(毛髪診断士を含む)
GoogleがTrust(信頼性)を一番重要視する拠り所として、実際のところ「医師」という肩書や「大手クリニック」というサイトの大きさを信頼の基準として過剰に高評価してしまっているのではないかと思います。その結果、専門外の医師も、嘘つきな医師も、悪徳商売を行う医師も、他人のコピーを書いているだけの無能な医師も、検索上位に表示してしまっています。一方で本当にAGAを克服した経験を持つ信頼できる個人の意見は、検索結果50位以下に沈んでしまっています。
当然Googleからすれば私もまだ信頼性の低い個人であることは自覚しています。しかしながら、毛髪に知見がない専門外の「医師」や誇張した表現で商品を売るためだけの「クリニック」よりも低く評価されるのは非常に残念です。
広告もちろんAGAの専門医や大手クリニックの情報は専門性・権威性で高く評価されるべきですが、それだけで最も重要な信頼性が担保されているとは限りません。全員ではありませんが、一部の医師や医師監修の記事には誇張した表現を使ってユーザーを欺くような情報を記載し、商品を売るためだけの情報が上位表示されていることがあります。
また「スポンサー」と表示されGoogle広告で検索結果に出てくるものも、商売目的であるためYMYLの検索結果に表示するにはふさわしくないものが多いのが事実です。
これではもし本当に個人が「世紀の大発見!」を公開しても、商売目的などによる誤情報で埋もれてしまい、世の中に広まることを妨げてしまいます。
事実や結果に基づかない情報や誤解を誘うような情報は、ユーザーの利益を損なうことになりかねません。また誤った情報や治療はユーザーの悩み解決にならず、ユーザーの健康を損なう危険性すらあります。実際に病気を完治させた個人の意見や情報はユーザーの利便性・知りたいことの観点から信頼性がもっと高く評価されるべきだと私は思います。
そのためにもGoogleの検索アルゴリズムが今後さらに改善され、「専門外の医師」や誇張した表現で商品を売るためだけの「悪質クリニック」による誤情報が検索上位に表示されないような改正を望みます。そして更なる医学の発展や解決方法の発見に期待したいと思います。
「ハーゲン脱理論」が広まらない理由
私は「ハーゲン脱理論」の仮説から導き出した「筋膜ほどき」を実践して完全なフサフサ状態に復活しましたが、なぜ他にも同じような体験を主張する人がいないのかが不思議でなりません。
筋膜ほどきの実践者が極めて少ない
筋膜ほどきを後期まで実践した人であれば、自分自身で筋膜のねじれを体感できるようになります。したがって「ハーゲン脱理論」がまぎれもない事実であることを体感できるようになるのです。しかし、私も初期の段階で筋膜はガッチガチに固まっていましたので、ねじれを体感できるようになるまでかなりの時間と労力を要し、そこまでのハードルが高いのは事実です。
私が体感したのは骨折がきっかけ
私が筋膜のねじれに気付いたのは、幸か不幸か鎖骨の骨折がきっかけでした。
折れた鎖骨を固定するためにチタンプレートを埋め込む手術を受けました。
術後、医師からリハビリのために「できるだけ肩を動かすようにしてください」と言われ、肩を回している最中に初めて筋膜のねじれを体感できたのです。
もしかしたら私は何千人に一人の幸運な巡り合わせで、この骨折と手術が、ガッチガチに固まっていた筋膜を奇跡的に緩める作用があったのではないかと考えてしまうのです。
- 鎖骨が折れたことにより、普段ではありえない稼働範囲に肩が動いたことで筋膜のねじれが緩んだ
- 手術中に電気メスで筋膜の一部を切断したことにより、筋膜のねじれが緩んだ
筋膜のねじれは視認がほぼ不可能
筋膜は残念ながらレントゲンにもCTにも映りません。かろうじてエコーで見ることができるようですが、かなりぼやけた画像なため細部まで確認することは困難です。よってねじれを視認することは現在の医学ではほぼ不可能なのです。
さらに皮膚を切り開いて実際に目視しても不自然な点はないようです。私は抜鉤手術(プレートを除去するための2回目の手術)中に局所麻酔で意識があったため、執刀医に「私の筋膜は変にねじれていないですか?」と聞いてみましたが、「何も不自然な点はないよ」が答えでした。
筋膜についてはまだまだ解明されていない不明点が多く、これまでの医学ではあまり注目されていませんでした。しかし、近年では様々な身体の不調に関係することに注目が集まり、徐々に解明されてきています。
私はいずれ筋膜のねじれが、AGAや肩こりなどの身体の不調と密接に関係していることが明らかにされる日が来ることを信じています。そして私が提唱する「ハーゲン脱理論」と「筋膜ほどき」がAGAに悩まされる多くの方に役立てば、この上ない喜びです。