生活習慣の改善は、AGA（男性型脱毛症）の予防や進行を遅らせることに必要不可欠！といわれることもありますが本当でしょうか？私自身の経験と研究を基に解説します。
このように主張される内容を冷静に見ると、人が健康を維持する上で当たり前の生活習慣が説明されています。もちろんAGAの予防にも一定の効果は期待できると思いますが、特にAGAに関しては遺伝的な要因も大きく関与しているため、生活習慣の改善だけで劇的なAGA予防・改善をもたらすことは正直なところ難しいでしょう。
過度な期待はせずに冷静にAGAと向き合いましょう。
とはいっても乱れた生活習慣を放置して良いことはなく、何より生活習慣の乱れは万病の元になりますので、AGA予防だけではなくご自身の健康を維持する上で今日からぜひ生活習慣の改善には取り組んでみましょう！
AGAの遺伝的な要因については、こちらの記事をご覧ください。
AGA（薄毛）の進行を抑制できる可能性がある生活習慣の改善
以下は、生活習慣の改善がAGAの進行を抑制するのに役立つと思われる要因です：
- 健康な食生活： 栄養バランスの取れた食事が重要です。特に亜鉛、鉄、ビタミンD、ビタミンEなどが健康な髪の成長に寄与する可能性があります。
- ストレスの管理： 長期間のストレスは薄毛を引き起こす可能性があります。リラックス技術やストレス軽減の方法を取り入れることでホルモンバランスを整え、AGAの原因となるDHTの生成を抑制できる可能性があります。
- 質の良い睡眠： 睡眠不足もホルモンバランスが崩れてしまいます。その結果、内臓の働きや血流の流れが悪化し、AGAにつながる可能性が高まる可能性があります。
- 喫煙とアルコールの制限： 喫煙や過度なアルコール摂取は健康に悪影響を及ぼす可能性があり、薄毛の進行にも関与するかもしれません。
- 適切なヘアケア： 過度な洗髪や強い摩擦は髪に負担をかける可能性があります。適切なヘアケア製品を使用し、適切な頻度で髪を洗うことが大切です。
健康な食生活と栄養
健康な食生活は毛髪の成長に寄与するでしょう。亜鉛は髪の成長に関与するミネラルであり、不足すると脱毛が誘発される可能性があります。同様に、鉄やビタミンD群も髪の健康維持に不可欠な栄養素です。
食習慣の乱れは栄養バランスの悪化により、髪に届けるべきタンパク質や亜鉛などのミネラルが不足し、発毛や髪の成長に悪影響を与えるリスクがあります。また糖分や油分を取り過ぎると、皮脂の過剰分泌による毛穴の詰まりにつながるともいわれています。食習慣の乱れは頭皮の血行の悪化や十分な栄養の不足により、AGA症状を引き起こすリスクが高まるでしょう。
ストレスの管理
ストレスもAGAになるリスクを高める要因のひとつだと考えられています。 ストレスをため込んでしまうと自律神経が乱れてしまい、内臓の機能不全や不眠などの症状が出てしまいます。
特に長期間にわたる慢性的なストレスは、ホルモンのバランスを崩し、脱毛を引き起こす可能性があります。ストレス管理の技術や瞑想、運動などを取り入れ、ストレスを軽減することが重要です。
常に人の顔をうかがってしまう人や「～すべき」という思考で頑張りすぎてしまう人はストレスをためやすいと言われています。実際はどんな人でも多少のストレスを抱えているのが現状ですが、受け止め方を変えてみたり、ストレスの元から距離を置いてみることで身を守ることができます。適度な運動をしてみる、好きな趣味に没頭してみる、など自分に合ったストレス発散の手段を定期的に行うのがお勧めです。
ストレスと関係性が高い脱毛症には、円形脱毛症も挙げられます。 AGAと思っていても実際は過度のストレスによる慢性円形脱毛症の場合もあるので、薄毛の症状が出た場合は自身だけで判断せず、専門の皮膚科医や専門医に相談してみてください。
質の良い睡眠
睡眠不足や睡眠の質も、AGAに影響を及ぼしていると考えられています。睡眠不足になると自律神経が乱れてしまいます。
自律神経には緊張状態に働く「交感神経」と、リラックスしている際に働く「副交感神経」の2種類があります。 この2つの神経のバランスが乱れることで、ホルモンバランスが崩れてしまいます。その結果、内臓の働きや血流の流れが悪化し、AGAにつながる可能性が高まるのです。
また、睡眠中には髪の毛の成長に必要なホルモンが多く分泌されるので、十分な睡眠時間をとれていない方は注意が必要です。
AGA予防には成長ホルモンが正常に分泌される、質の良い睡眠が重要です。質の良い睡眠を取るためには、就寝前にコーヒーなどカフェインの摂取を控えたり、PCやスマホからのブルーライトを見るのを控えたり、軽いストレッチやアロマなどで体をリラックス状態にもっていく手段も有効です。
1日や2日の睡眠不足であれば薄毛に直接影響する事は少ないでしょう。しかし、日々睡眠不足が続いていたり生活リズムが乱れていると、髪の毛に大きく影響してしまうこと恐れがあります。薄毛を予防したいと思ったら、まずは生活リズムを整えて睡眠をしっかりとることが大切です。
喫煙とアルコールの制限
喫煙や過度なアルコール類の飲酒は血液循環を悪化させ、全身の健康に悪影響を与える可能性があります。これが脱毛にどのように影響するかはまだ完全に理解されていませんが、健康的な生活習慣は総合的な健康に寄与します。
喫煙の制限
喫煙はタバコに含まれている成分の「ニコチン」が毛細血管を収縮させてしまい、毛母に安定的な栄養素を供給ができなくなるリスクがあります。その結果、髪の毛にコシが無くなり、毛が細くなってしまう可能性があるのです。
また、タバコを吸うと悪玉男性ホルモンのDHT（ジヒドロテストステロン）の血中濃度が高くなる傾向にあり、AGAにつながる可能性が高くなります。
- 髪の毛にコシが無くなり、毛が細くなる可能性がある
- DHT(ジヒドロテストステロン)の毛中濃度が高くなる傾向がある
人それぞれ体質が違うので、必ずしもタバコがAGAに直結するとは言えませんが、悪影響を及ぼすリスクがあると考えられています。
アルコールの制限
アルコールは体内に入ると「アセトアルデヒド」という物質になります。アセトアルデヒドは、AGAの原因となる男性ホルモンDHT（ジヒドロテストステロン）の増加を促す作用があるとされています。
少量のアルコールであればアセトアルデヒドを分解できますが、肝臓の分解機能では間に合わないほどの大量のアルコールを摂取した場合、血中にアセトアルデヒドが残ったままになります。
アルコールは適量であればストレスの緩和作用があるので、お酒を飲む際は適度にたしなむ程度にしたほうがよいでしょう。
適切なヘアケア
適切なヘアケアは、髪のダメージを最小限に抑えることができます。過度な洗髪や強いブラッシングは髪を傷め、脱毛を進行させる可能性があります。また、適切なシャンプーやコンディショナーの選択も重要です。
頻繁なシャンプーによる頭皮の過剰な洗浄は、実は逆効果です。多くの専門家は、シャンプーは一日一回が理想的と指摘しています。過度な洗浄は頭皮の自然な保湿バランスを崩し、結果として抜け毛を促進する恐れがあります。
また、スタイリング剤の残留も無視できない問題です。スタイリング剤を洗い流さずに就寝すると、頭皮の毛穴が詰まり、これが抜け毛の原因となることがあります。その日に使ったスタイリング剤は、その日のうちに丁寧に洗い流すようにしましょう。
生活習慣改善のまとめ
睡眠習慣や疲労状態、偏った栄養バランスの食事が続くなど、乱れた生活習慣によって自律神経やホルモンバランスが大きく乱され、AGAの発症や進行を促進する可能性はあります。 しかし、生活習慣の乱れは抜け毛や薄毛の間接的な原因であって、直接的な発症要因ではありません。
AGAの発症には遺伝と男性ホルモンのバランスが深く関わっています。 AGAの発症と生活習慣に直接的な原因がなくとも、乱れた生活習慣を放置して良いことにはなりません。遺伝的要因や男性ホルモンのバランスに加え、生活習慣の乱れがプラスされることによって、AGA以外の原因による抜け毛が増える可能性もあるためです。
AGAの進行を止めるためには、専門医の相談を受け、改善についてのアドバイスを受けることが重要です。総合的なアプローチが重要であり、個々の状況によって最適な対策が異なります。AGAに悩んでいる場合は、専門の皮膚科医や専門医のもとで相談してみることをお勧めします。
AGAの直接的な原因とメカニズムについては、こちらの記事をご覧ください。
