先日7/24に公開された記事にて、有機化合物『2dDR』が発毛促進することが偶然発見された、と報じられました。
⇒ 該当記事はこちら
この記事は、薄毛に悩む多くの人に希望を与えるものである一方で、本質的に重要な視点が抜け落ちていると私は考えています。
私は医師ではありませんが、毛髪診断士として何人もの薄毛と向き合ってきました。そしてたどり着いたのは、医学ではまだ体系化されていない「真のAGAの根本原因」です。
本記事では、Forbes記事で語られる「夢の新薬」への期待に冷静に向き合いながら、AGAを本当に治すために必要な“根本理解”をわかりやすく解説していきます。
記事の要点
Forbes JAPANの記事では、以下の内容が紹介されています:
シェフィールド大学とパキスタンのコムサッツ情報科学大学による国際的な研究チームは、有機化合物「2-デオキシ-D-リボース(2dDR)」が新たな発毛を促すことを突き止めた。これは、8年間にわたるこの糖の創傷治癒効果の研究の過程で、偶然発見されたものになる。研究チームは、創傷部位周辺の毛が非処理部位よりも早く伸びることに気づき、傷んだ毛包に直接的な作用があるのではと考えた。
引用:「偶然の発見」から脱毛症治療に新たな光明か、有機化合物『2dDR』が発毛促進
つまり、新しい分子レベルの「発毛スイッチ」が見つかったということです。科学的には非常に意義のある話です。
しかし、ここで冷静になる必要があります。
冷静な視点①:マウスと人間の毛根構造は違う
マウスは「周期的に生え変わる被毛(体毛)」を持つ動物であり、頭髪のような長期成長毛ではありません。
- マウスの毛周期:数週間単位で自然に脱毛と発毛を繰り返す
- 人間の頭髪:成長期は2〜6年、退行期、休止期と段階的
この違いを無視して、「マウスで生えた=人間も治る」という論理は、極めて単純化された誤解につながります。
広告冷静な視点②:「毛包を刺激」しても、毛根の密集度が低下していれば意味がない
ここが最も重要な論点です。
シェフィールド大学の研究では「毛包(毛穴)を刺激することで発毛を促す」というアプローチが中心ですが、実際には――
❌ 毛包に栄養や刺激を与えても、“毛根がそこにいなければ毛は生えません”。
つまり、「毛包に毛根が残っていること」が前提の理論なのです。
しかし、多くのAGA患者は「毛根が移動して密集度が低くなっている」状態にあります。
ハーゲン脱理論:毛根は“移動”し、密集度が低くなっている
私が自身の頭皮を観察・触診・分析した結果、
✅ 毛根の位置が、本来の位置から「ずれている」ことでAGAが進行している
という現象「ハーゲン脱理論」を発見しました。
これは、医学でまだ十分に語られていない領域ですが、次のような症状とリンクしています:
- 頭皮が極端に硬い
- 毛根(毛穴)の密集度が低くなる
- 髪の成長サイクルが短くなる
- 薄毛の進行が止まらない
つまり:毛根がズレたままでは、いくら新薬を使っても「届かない」
これはどれだけ強力な成長因子であっても、どれだけ画期的な分子刺激であっても同じです。ミノキシジルも同じですが、
✅ 「毛根がない場所」に薬を塗っても、意味がありません。
これは農業に例えれば、「種がない土にいくら水や肥料を与えても、芽は出ない」ということです。
AGAの根本治療には、「毛根の位置修復」が必要
ここでようやく、「AGAを本当に治す方法」が見えてきます。
薬や外用薬を使用する前にすべきこと――それは、
🧠 毛根の移動メカニズムを止め、正しい位置に戻すこと
です。
そのために私は、ハーゲン脱理論にもとづき、「筋膜ほどき」を提案しています:
この「筋膜ほどき」によって、“移動した毛根”を本来のポジションへ戻し、はじめて育毛・発毛刺激が効果を発揮するのです。
まとめ:誤った理解が、治療の遅れを招く
新薬の発見、科学の進歩、それ自体は素晴らしいことです。
ただし、それが「AGAの根本原因」に届いているかどうかは、慎重に見極めなければなりません。
❌ 「毛包刺激・血流促進さえすれば発毛できる」
⭕️ 「毛根が正しい位置にあってこそ、発毛できる」
この視点を抜きにして、薄毛治療は成立しません。
▶ AGA治療に迷っているあなたへ
あなたがもし、すでに薬や育毛剤、クリニック治療で思うような効果が出ていないと感じているなら――
それは、「毛根の位置ズレ」という根本原因を無視していたからかもしれません。
インターネット上には様々な毛髪に関する情報が溢れていますが、中には商品を売るためのエセ科学的なものや、根拠のない疑わしい情報を掲げて、法外な価格で商品を売りつける悪質なものも存在します。
誤情報に惑わされないためには、AGAの根本原因を正しく理解し、その改善方法・治療方法が根本原因に寄与するものか、ご自身でしっかりと確認するようにしましょう。